Der Korrepetitor

オペラ指揮者&コレペティトア・宮嶋秀郎がコレペティについて語るブログ

現代の指揮者に欠けるもの

全ての時代の全ての指揮者を知っているわけではないが、自分が知る限り現代に生きる世界の指揮者を見て思うことである。傾向と言った方がいいのかもしれないが。


ズバリ言うと、自分を押し通し過ぎ、周りを自分に合わさせ過ぎ、だと思う。もちろんリーダーであるからにはそういった要素は必要だし、各自の個性によってもよさが違うので一概には言えない部分はあるが、全体的傾向としてそう思う。人をリーダーとしてまとめる時、自分が先頭切って引っ張る部分と、自分が周りの見聞きして受け入れる部分と両方がある。どっちがどれだけというのは前記の通り個性にもよるが、現代の指揮者はこの後者が著しく欠けると思う。結局はいずれも必要で要はバランスだと思うが、自分が経験してきた限りの指揮教育で、この後者を教えられている現場に遭遇したことは基本的にない。仮に自分がその要素を出すと否定されることさえあった。


バランス次第なので何が正しいかと言うのは厳密には難しい部分もあるし、逆に周りに対応し過ぎるとそれはそれでリーダーとして物足りなくもなる。しかし指揮者とプレイヤーの関係を見ると顕著なのが、明らかなのが、演奏の場合やはり指揮者は音を出せずプレイヤーが出すわけなので、出す人たちができる限り納得と理解をして取り組めるのが理想である。これまた度が過ぎると大勢が好き勝手になってしまうので程度は難しいが、いずれにせよ演奏の場合はこの間合いが難しく大事である。


好みの問題はあるだろうが、自分が思うに、現代の指揮者はもっと共同作業ということ、すなわちプレイヤー目線をせめてもう少し大事に意識するべきだと思う。なぜなら、これはまず直接的には音を出してくれる仲間の為であり、そして何よりそれら全ては音楽の為だからである。