Der Korrepetitor

オペラ指揮者&コレペティトア・宮嶋秀郎がコレペティについて語るブログ

年末

12月、日本は第九シーズンですね!第九と言えば合唱、当然コレペティトアも合唱には必要になります。というわけで、合唱のコレペティについて。


日本では合唱でもオペラでも何でもそうだが、指揮者と伴奏者は別設定が基本。しかしヨーロッパへ行くと、確かにその設定もあるが、それは後々ある程度の段階へ行ってからの話。最初ある程度音楽が仕上がるまでは、合唱指揮者が自分でピアノを弾きながら練習するのが普通。あるいは、大劇場ともなると合唱指揮者(Chordirektor)のアシスタント(Chorassistent)がいて、そのアシスタントがパート練習から受け持つこともよくある。いわゆる、合唱のコレペティというジャンルが存在する。


スタイル的には普通のコレペティと何ら変わりない。指揮者がピアノを弾きながら稽古つけるわけである。違うのは具体的なやり方である。早い話がソリスト陣のソロ&アンサンブル稽古と合唱の稽古の違いである。共通点はあるが、ちょっと対応の仕方が違うのである。オペラのソリストの場合は各声部を軸に伴奏部分を弾きながら、時にはアンサンブル部分を、となる。合唱の場合は最初から4声のアンサンブルである。複雑になれば声部が当然増える。その時点でまずピアノの弾き方は和声的である。もちろん各声部別に弾いて音取りもあるが、基本和音で弾いていく要素が強い。ソリストの場合は伴奏部分(主に左手等)でテンポやリズムを与えつつ弾いていくが、合唱の場合はもちろんそれもあるが、合唱が歌う部分が数声部となると弾き方が変わって来る。文章で伝えるのはやや難しいが、とにかくソロコレペティに比べると和音な感じが強い。合唱経験のある方なら何となくピンと来るであろう。いずれにせよ、日本の現場のように普通に伴奏譜として書かれたピアノを単に弾くだけではなく、やはり歌手らの稽古の為の弾き方になる。


合唱指揮者を目指すものは当然この作業は当たり前に出来ねばならず、合唱指揮者を勉強中の者も当然この訓練を行う。さらには普通に指揮者を目指すコレペティでもこの要素を取り入れて対応する者も多い。合唱好きな方、指揮者、ピアニストの皆さん、ご興味おありでしたら是非実践してみて下さい!