Der Korrepetitor

オペラ指揮者&コレペティトア・宮嶋秀郎がコレペティについて語るブログ

作曲家について

代々作曲家は、オペラかシンフォニーのいずれかの分野で大成している。例えば、オペラで大成した作曲家、ワーグナー、ロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニら。シンフォニーで大成した作曲家はベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーン、チャイコフスキーら。基本的にはこのようにオペラかシンフォニー、言いかえるなら声楽的路線か器楽的路線とも言えよう。当然これはその人の適正などによるものである。ゆえに、なかなか超分野で同じ成功を成し遂げると言うことが至難の業ということが分かる。同じことが指揮者にも言える。オペラ指揮者かシンフォニー指揮者か。これもその人の適正である。ただ経緯的に両者はかなり違いはあるが。


そんな中、唯一と言っていいかもしれない、オペラ&シンフォニー両分野で大成した作曲家がいる。モーツァルトである!彼はシンフォニーもオペラ40曲ぐらいずつ作曲し、いずれの分野も大当たりしている。オペラは日本でもオペラの基本として認識されているし、世界的に見てもモーツァルトのオペラ(特に4大オペラ)を主要レパートリーに入れない劇場はほぼないと言っていい。シンフォニーも、ハイドン&ベートーヴェンに並ぶ古典派交響楽の中心とされ、彼の有名シンフォニーを中心に世界中のオーケストラの主要レパートリーの中心となっている。同時に交響曲のツィクルスも世界中で企画、レコーディングされている。ここまでな作曲家は確かにモーツァルトしかいない。これが天才であろう。


ここからは個人的見解になるが、例外を2人上げよう。まず最初にR.シュトラウスである。彼は数多くの交響詩&管弦楽曲、そして数多くのオペラがある。彼もまたある意味両分野で大成している。が、少し特殊な部分もある。彼は最初に交響詩で大成し、後でオペラへ移行した。時間的に少し特殊な進み方をしている。また、編成的にも独特であり、基本的には大編成作品が多いが、時には小編成作品もあり、いずれも素晴らしいものである。また歌曲も有名なものをいくつも残している。スタイルや時代から考えるとモーツァルトのそれをはいくらか違うが、確かに彼も両分野で成功している。もう1人はA.ドヴォジャークである。彼は9曲のシンフォニーで大成功を収め、交響詩もいくつも名曲を残していて、有名なスラヴ舞曲等の管弦楽曲も沢山ある。そしてオペラも10本以上あり、中でも”ルサルカ”はチェコオペラ史上最高傑作とされている。歌曲もいくつも残していて、”ジプシーの歌”は大ヒットしている。ジャンル的にチェコ=国民楽派で場所的にも分類的にもこれまたモーツァルトと比べると特殊な感じは部分的にあるが、しかし彼もまた確かに両分野で大成していると言えよう。


このように、例外は多少あれど、基本的にはモーツァルト以外は皆いずれかの分野で大成している。音楽史を知る上でも、音楽を理解する上でも、この辺を知っておくのは非常におもしろく意味がある。この目線で色々な作曲家を見て、また色々な楽曲を考えてみて頂きたい。さらに多くの発見があることであろう。