Der Korrepetitor

オペラ指揮者&コレペティトア・宮嶋秀郎がコレペティについて語るブログ

ルサルカ~指揮者にとって

演奏時間は全Ⅲ幕で約150分、決して短くはないがもっと長いものもあるのでまあまあですねw音楽は各幕始まると切れ目がない永久旋律。音楽的にはいかにもチェコらしい音楽、そしてこれほどまでに音楽がよくできているオペラが他にあるのか、と言いたくなるぐらい最高によくできた素晴らしい音楽です。日本ではルサルカのアリアしか知られていませんが、実は他はさらに素晴らしいw言うまでもなくチェコオペラ最高傑作の一つ。

指揮の難易度はというと、オペラ指揮者としての経験が諸に出ます。単に棒の技術的に言えばもっと難しいオペラは色々ありますが、まずチェコ音楽(オペラ)とチェコ語に対する理解、そして何よりオケはもちろん歌手との共同作業における要領&伴奏とその経験、これらがある程度ないと難しいでしょう。チェコ音楽をある程度専門的に知っていてオペラ指揮者としてそこそこ経験があれば普通でしょうが、そうでない指揮者にとっては難易度の高いオペラと言えるでしょう。後者だと、そのレベルにもよりもますが、なかなか厳しい。ましてやオペラ初めてか1~2本程度の経験の者、またはオペラの下積み経験のない者、いきなりこれを振るのはやめておいた方がいいでしょう(笑)とは言え、テンポ設定とテンポの変わり目さえ気を付ければ、良し悪しは置いておいて、とりあえず流れてしまうものでもあります。しかしどれだけいい音楽になるか、歌手が生きるか、これには指揮者によってものすごく差が付きます。

自分はありがたいことに去年チェコでルサルカを振らせて頂き、光栄にもチェコのトップ歌手&オケ奏者との共演ができました。本当に素晴らしい刺激的な経験でした。今度はそれを日本に持ち帰るわけですが、臨む姿勢としては、チェコとチェコ人、そして何より作曲家に敬意を払い、させて頂いた経験を生かしその再現につとめます。日本ではチェコオペラ以前にチェコがどういうところなのかという情報すらまだまだ薄い。特に音楽的な面においては。ゆえにルサルカを聴こうとなると、どうしても皆チェコ以外のメジャー劇場のものを聴いてしまう人が多い。しかし、今回はそれらではなく、純粋にチェコの劇場のものに近づけるように準備して行きたいと思います。そして、まだまだちゃんと知られていないオペラだからこそ、指揮者としてより本物を伝えると言う責任があると思いますので、その為に頑張りたいと思います♪

写真は、プラハにあるドヴォジャークの墓。ちなみに、ドヴォジャークはこのオペラを最晩年に書き上げ、ご存知の通り彼の代表作であることは言うまでもありませんが、しかし本人はこのオペラが自分の代表作であることに気が付いてなかったとのことです(爆)←プラハの某教授談w