Der Korrepetitor

オペラ指揮者&コレペティトア・宮嶋秀郎がコレペティについて語るブログ

コレペティの留学~準備編(ヨーロッパ)

日本でできるだけのことをやったら、いよいよヨーロッパへ行き本格的な入試準備である。何より大切なのは、コレペティの練習、入試課題等の準備、語学学校である。


まず語学学校だが、かつては(未だに?)何もせずいきなり入って行く日本人が多かった。しかし今の時代それでは通用しない。ドイツの音大は入試の時点でかなりの語学レベルを求めており、オーストリアは入試の時点での課題こそないものの、入学後一定の期間内に語学試験に受からないと強制退学になるなど、いずれせによ入試前にある程度の準備をしないと不可能と言うわけである。個人差はあれど、最低でも半年程度は入試前に語学学校に行くべきである。


コレペティの練習は日本でのそれの延長であるが、より本格化させるべく、やはりできれば受けたい大学の教授とコンタクトを取り個人レッスンを何度か受けるのが望ましい。とは言え、この教授とのコンタクトがまず一番厄介でありながら最重要と言える。簡単に言えば、教授がその弟子を取る気ながら話が早いのがヨーロッパの音大である。個人レッスンを受けて気に入られればかなりの合格率と言えよう。とは言え、いかにしてコンタクトを取るかが難関である。オーソドックには大学ホームページで教授の連絡先を調べ直接メール等を打ってみるという方法であるが、これははっきり言って運である。返信が来て一度個人レッスンか聴講等へ行ければまずはよし、しかし返信すら来ないこともある。ここで友人知人等の紹介があればかなり楽である。後は気に入られるかどうか、合うかどうかである。ただ一つ知っておくべきは、気に入られたからと言って受かる保証とはならない。試験には滅法受かりやすくはなるが、人数次第で上位に残らず漏れたり、教授の弟子を取れる枠がいっぱいで入れないこともある。良くも悪くも最後まで正確なことが分からないのが入試でもある。


コレペティの練習内容としては、基本全開書いたとおりの延長で、後は教授などから入試に向けてより専門的なアドヴァイスを受ける程度で、ひたすらそれの完成度と言った感じであろう。コレペティ科入学までの実技レベルとは大体こんな程度と言える。その他、コレペティではなく普通のピアノの試験もある。大学によって差はあるが、大体ピアノ科と同じぐらいと思っておいて問題はないと思う。本当に同じぐらいか、それより少ないか、といった感じである。例えば、自分がかつてグラーツ芸大の指揮科&コレペティ科を受けた時は、任意で時代の違うピアノ曲2曲だった。またドイツで受験したときは1曲増えて3曲、古典派ソナタ、ロマン派、近現代であった。その他多いところはそれに印象はやエチュード等を足して4~5曲というところもある。と言うわけで、大体ピアノ科という意味がお分かり頂けるであろう。選考基準としては、決してピアニストを目指すわけではないのでピアニストとしての技量というわけではないが、とりあえずこの時点では弾けるにこしたことはないと思う。ゆえに入試までは普通にピアノ練習していいと思う。それから必ず初見の試験もある。このレベルは本当に大学によって色々である。ある意味運である。もし受ける大学に友人知人等がいるならば、大体の難易度を事前に知ることもできるかもしれない。後は音楽理論とソルフェージュだが、まず理論は和声と対位法の基礎レベルがあれば問題ないかと思う。楽典的問題は日本の音大を出た人ならば余裕どころか笑えるレベルの問題ができることが少なくない。ただ、名称等を原語に変換しておかねばならない。当然問題文も言語である。面倒なのはそれだけであろう。ソルフェージュは、普通に楽器か声楽であれば、フランス等一部のソルフェージュ難関国でない限り日本の音大を出た人ならば問題ないであろう。ただ、自分の経験を一つ言うと、当時のグラーツ芸大の指揮科&コレペティ科入試のソルフェージュは問題数が多く、最初は馬鹿でも解けるようなレベルにはじまり、数問は大丈夫、後にはちゃめちゃになり誰も解けるわけのないレベルに到達した。これはほんの一例だが、気hン総合点で判定が下る為、とりあえずできるところをと考えれば、よほど1問も解けなかったような致命的レベルで半限りさほど心配はしらないと思われる。


このように具体的に入試に向けた準備を現地でする必要がある。語学学校と個人レッスン等があると仮定して、最低でも入試半年前には現地入りすべきである。もし1年近く時間が取れるなら万々歳である。入試準備期間に入ると日本にいることは全く意味もなければマイナスにしかならないので、可能な限り早めに長めにヨーロッパへ行かねばならない。後は願書だが、近頃ヨーロッパの音大は結構早めに締め切って入試をやる傾向にあるようである。準備はとにかく早めに、実技の練習等は可能な限り時間に余裕を持って。


では、次回は入試について具体的に書く。