Der Korrepetitor

オペラ指揮者&コレペティトア・宮嶋秀郎がコレペティについて語るブログ

コレペティレッスン

日本ではコレペティレッスン、もしくはコレペティと言われているようですが、今回はその中身について書きたいと思います。コレペティレッスンとは基本的に2つの形態があります。まずは歌手がコレペティトアに受けるもの、それと指揮者等のコレペティトア志望の者などが受けるもの、です。


歌手が受けるもの、これは要するに普通の本来の姿です。そもそもコレペティとは練習でありレッスンではないのですが、例えばヨーロッパの音大では声楽科の学生がコレペティトア(先生)の個人レッスンを受けたり、もしくはレパートリー拡大のために個人的にコレペティトアのところへ勉強に行くことがよくあります。この場合は確かにレッスンとして成立します。具体的な内容としては言うまでもなく、コレペティトアが音楽的なポイントを指示しながら導きます。そこで歌手はその役の歌唱をものにしたり、新たにレパートリーを増やしたりします。


コレペティトア志望の者が受けるもの、これは完全にレッスンになります。オーソドックスなものは、ヨーロッパの音大の指揮科やコレペティ科にある個人レッスンになります。もちろん入試前の準備段階や、音大を出た後にさらに個人的に習いに行くケースもあります。例えば劇場採用試験前の準備に個人レッスンに行くことはよくあるでしょう。具体的な内容は、基本受ける側がオペラのヴォーカルスコアの弾き語りをします。そこに指導者が音楽的なことを指示しながら理解を深めて行きます。もちろんこれらはその後歌手に対して行われるであろうコレペティの実践の為の準備となります。さらには採用試験の為の準備にもなります。採用試験はほとんどが弾き語りで、劇場によっては歌手とのコレペティの実践を要求する場合もちょくちょくありますが、採用試験でのこの実践は時間にしてわずか。まずはやはり弾き語りが基本となります。


自分も当然、指揮科&コレペティ科在籍時は毎週このコレペティトア志望者としてのレッスンを受けておりました。そして並行して、声楽科の友人のコレペティをしたり、オペラプロジェクトに参加したり、実践を行いました。そして当時から、日本でオペラを振る機会があるごとに、可能な限り自分でコレペティをして来ました。日本のオペラプロジェクトの場合は必ず練習ピアニストが設定されていますが、自分が準備や対応できる時は最低限度1回でもいいから自分でコレペティをさせてもらえるようにお願いしてあえてそのやり方を広めるべく実践して来ました。その方が少しでも音楽的に高いレベルに、深い世界に行ける可能性が高くなるからです。その為にも、まだコレペティの浸透していない日本で少しでもできる者が伝えるべきと考えておりました。


そして近年は、個人レッスンやワークショップ等でもコレペティレッスン(歌手へのものとコレペティトア志望者のもの両方)を機会あるごとに行っております。日本においてコレペティ自体が文化ではないのと、日本のオペラ界の文化やシステムではなかなかコレペティが浸透しにくい現実から伝わりずらいところも多だありますが、それでも少しずつではありますが、興味を持つ方、理解して実践しようとする方が増えつつあるように思います。そういう方々が増えていくと、だんだんとそれを必要とする歌手も増えて来るのではと思います。これからもコレペティレッスンは機会あるごとに実践して行きたいと考えております。ご興味持って頂けた方がいらっしゃいましたら、ご連絡頂ければ喜んで対応させて頂きたく思います。