Der Korrepetitor

オペラ指揮者&コレペティトア・宮嶋秀郎がコレペティについて語るブログ

ルサルカ登場人物~ルサルカ

ルサルカの主役ルサルカ!言うまでもなく美しいイメージで、もちろん音楽はアリアを筆頭に本当に美しい♪チェコ人曰く、中ぐらいの声で自然にシンプルに歌うイメージだそうです。ゆえにリリコからレッジェーロのソプラノが歌います。リリコの太め&重めの人からはあまり声が合わなくなっていき、歌う場合はそのシンプルな感じを歌う対応力が必要になります。決してドラマティックな役でも声でもなく、しかしドラマ的にはなかなか壮大でもある、そんな魅力的な役と言えるでしょう。ところで、日本の皆様は本来(本当)のルサルカをご存知でしょうか?

このオペラではルサルカは水の精の若い女性で、人間の王子に恋をしてしまい…、と設定上は綺麗な話になっております。話の筋が人魚姫に似ていて、かつ水の精、ゆえにルサルカ=人魚姫という勘違いがかなりありますが、全く違います。世界中探すと演出上ルサルカを人魚姫にしているものも稀に見ますが、それはあくまで演出ネタです。オペラの設定では水の精、すなわち精霊&妖精です。では、ルサルカとは本来は何者なのか?
ルサルカとはスラヴ圏に伝わる幽霊です!若くして亡くなった娘、水害で亡くなった女性、洗礼を受ける前になくなった少女などがなる幽霊で、森の中の湖に現れ、外見は絶世の美女、目を付けた男を誘い踊り狂わせて殺す、そんな恐ろしい幽霊です。ロシアの一部の地域などでは、鬼婆のような恐ろしい外見とされてるようですが、基本的には誰もが一瞬で誘われてしまう美女らしいです。これが本来のルサルカですが、オペラ化するにあたりやはり美化され、上記のような設定になりました。確かに本来の設定ではちょっとオペラにはなりがたいような…。

写真は、チェコの劇場でルサルカを歌う某チェコ人ソプラノ歌手、まあ舞台上での典型的なルサルカのイメージと言えるでしょう。続いて、昔ポーランド人の某画家によって描かれたルサルカ、それと恐らく鬼婆的イメージのルサルカの一例?です。